2011年 6月28日(火) ゆるぎ岩(1130m) 【蒼滝大橋より国見尾根】

天候:曇りのち晴れ
蒼滝大橋下P(8:42) ⇒ 藤内小屋(9:22〜31) ⇒ 境石の碑(10:18) ⇒
P1004(10:24〜34) ⇒ ゆるぎ岩&天狗岩(11:03〜54) ⇒ 北谷短絡路下降点(12:13)
⇒ 北谷出合(12:45) ⇒ 藤内小屋(13:05〜15) ⇒ 蒼滝大橋下P(13:46)

                                            ※コースタイムには撮影&小休憩を含みます。


 夏の鈴鹿と言えば、ヒルと暑さとの戦いを避けて通れない。ただし、前者だけは狭いながらも避けて通
れるエリアがある。今回は、そんな中でも比較的入山者が少ない国見尾根の2つのルートを周回した。
 起点となるのは、御在所岳の裏道歩きのベースキャンプ(?)となる蒼滝大橋近くの駐車場。ここのとこ
ろ“中道人気”に押されてか、大橋手前の駐車スペースはガラガラ。時刻はすでに8時半を回っていると
いうのに、うれしい誤算だ。



 まずは蒼滝トンネル手前の舗装路を右に折れ、おんぼろバスの分岐でしばし思案。。。雰囲気満点の
裏道正規ルートで取り付くか、それとも堰堤工事の作業路か…う〜ん、堰堤の様子も気になるから作業
路に決定!



 …と思った矢先、平日ということもあって、この日は工事の真っただ中。作業員らの白い目に跳ね返さ
れるように、上写真のポイントで正規ルートへの復帰を余儀なくされた。くっそ〜、この堰堤の巻き道ほど
非効率な登山道ってないんだけどなぁ。



 予定では堰堤の間をすり抜けて歩くつもりが、気が付けばこれだけ(↑)の高度を無駄に歩かされてい
る。いやぁ、この高度感もすごいけれど、とんでもなくデカイ堰堤だこと。



 巨大堰堤を右岸から巻いた後は、“七の渡し”で北谷を渡渉するまで高度をどんどん下げていく。登って
下って、さて何m???一度計測してみないといけませんね(笑)



 あの豪雨以来、大勢の人に利用されてきた新生“四の渡し”も、ようやく周りの景色になじんできた。そ
れにしても頑強な旧“四の渡し”はいずこへ?



 “四の渡し”を過ぎてからは、すっかりと様変わりした北谷を横目に見ながら、本来の裏道の良さを実感
しながら、徐々に高度を上げていく。寸断された裏道の中でも、四の渡し〜藤内小屋間は、かろうじて土
石流の被害を免れ、しっとりとした情景が残されている。



 スタートからジャスト40分で藤内小屋に到着すると、凍らせてきたはずのスポーツドリンクはすでに液体
状に。。。容器からしたたる水滴は涼しげだけど、自分の体中からも汗がしたたり落ちる。もう少し高度を
稼がないと、風にも涼しさを感じないなぁ。



 こちらは藤内小屋の一角に建設中のトイレ。まあ、山ガールも増えたことだし、そろそろ必要かもしれま
せんねぇ。



 ひっそりとした藤内小屋で小休止した後は、手すり付きの細い木橋で不動谷方面へ。かつて国見尾根
と言えば、岳不動側から回り込むルートが一般的だったが、例の豪雨以来通行止め。そんな中で、少し
ずつ脚光を浴びてきたのが、尾根の末端から直登するルートだ。
 取り付き地点には青看板も設置され、地元観光協会も売り出しているようだが、さてさてどんな状況かと
いうと。。。



 あちゃ〜、御在所岳・一ノ谷新道には及ばないものの、コリャ相当な急登だこと。少し登っては立ち止ま
り、また少し登っては立ち止まりの繰り返しで、この時季は特に厳しい。それでも、手元の高度計に目を
やるとぐんぐん高度を稼いでいることが分かり、ちょっぴりうれしくなる。



 厳しい急登に終わりが近づいているのを教えてくれるのは、この大岩↑。尾根取り付きから約40分か
けて300m弱の急登をこなすと、ルートの左手にどど〜んと鎮座している。



 これまでほとんど見かけなかったコアジサイも、先ほどの大岩を回り込んだ辺りから目を楽しませてくれ
る。まあ、鈴鹿の初夏の定番フラワーといったところか(笑)。



 こちらは直登ルートの最後を締めくくる、名付けて“境石の碑”。ここにも例の青看板が建てられ、以前
よりぐっと場所が分かりやすくなった。すぐに分かる割谷の頭の刻字と違って、一部の山ヤさんは血まな
こになって探していたんだけどね。



 最後の急登をこなし、ちょっとした広場になったP1004まで登り詰めると、左手には荒々しい藤内壁が迫
る。冬場はほとんど日の当らない場所だが、夏至前後は岩肌にも日差しが降り注ぎ、まぶしいほどに光り
輝く。



 P1004を過ぎ、右手のガレ谷から岳不動ルートが合流すると、その先には高度感たっぷりのゆるぎ岩&
天狗岩がそそり立つ。こうして見上げてみると、最後の詰めも結構な急登だなぁ。



 本日の目的地・ゆるぎ岩(左)&天狗岩(右)までは、休憩を含み約2時間20分。この暑さを考えればま
ずまずのペースかな?ちなみに、2つの岩を同一アングルに収めるには、最低でも28mmの広角レンズが
必要となる…参考までに。



 ザックを下ろし、ゴアテックス製ながらムレたザングツを脱いだら、お楽しみのランチタイムに突入。本
日のメニューはサンクスで見つけたコレ↑。ぶっかけきしめんに2つのいなりずしがセットされた、とっても
涼しげな逸品だ。



 ランチを終えてからは、シャツを着替えて涼風を全身で楽しむ。程なくすると、不動谷からガスが湧き上
がってきた。朝方なら一年を通して目にする光景だけど、気圧が不安定な梅雨〜初夏なら、昼間でも神
秘的な光景に遭遇する可能性は高い。



 ブロッケン現象にさえ出会えそうなガスの流れをひとしきり楽しんだ後は、P1004の手前まで来た道をた
どる。下山ルートは国見尾根から北谷へ一気に駆け下りる短絡路に決定。



 その短絡路の分岐地点を振り返ってみた写真がコレ↑。なかなか豪快な崩落具合だこと…。ただし、踏
み跡は写真右手の山腹に逃げているので、それほど危険度はナシ。



 登りに使った直登ルートと比較してみると、全体的には短絡路のほうが傾斜はゆるい感じ。踏み跡はこ
ちらのほうが薄いけれど、古びたテープを拾っていけば、ルートをロストすることもほとんどない。



 こちらは裏道(北谷)との出合地点を見上げたもの。位置的には藤内壁出合と兎の耳のほぼ中間地点
にあたる。写真左手のガレ沢の左岸に広がる緩やかな尾根が、国見尾根短絡路の舞台となる。



 日を追うごとに整備が進む裏道には、新しい水場が設けられていた。水源は国見尾根側なので、安心
してゴクゴク♪ひんやりしていて、とってもおいしいんだけど難点がひとつ。水量の多さと吐水位置の高さ
のせいで、ズボンのすそがべたべたに(泣)。



 北谷に合流してからは、国見峠方面から下ってきた人と次々と出会う。ただし、まともに挨拶を返してく
れるのは半数程度。登山人口が増えるのはいいことかもしれないけれど、ちょっとなぁ。。。



 行きは反則技の堰堤作業路を使ったけれど、下山は由緒正しき裏道で。こんな古びた鉄橋を見ると、
何だか心が和む。それにしても“四の渡し”はどこに眠っているんだろう。有志を募って、捜索隊でも結成
しようかな〜。

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