2011年 6月 8日(水) 三池岳(971.8m) 【石榑峠より県境稜線】

天候:曇りのち晴れ
石榑峠(8:42) ⇒ 9/16ポスト付近(9:51〜10:03) ⇒ 県境三叉路(11:00〜10)
⇒ △三池岳(11:12) ⇒ 県境三叉路(11:14) ⇒ co970m付近(11:18〜32) ⇒
馬の背ザレ地(?〜12:12) ⇒ 7/16ポスト付近(13:12〜19) ⇒ 石榑峠(13:56)

                                            ※コースタイムには撮影&小休憩を含みます。


 鈴鹿の県境稜線の全ルート踏破を目指す山ヤにとって、今回歩いた区間は“以前は”かなり苦労させら
れたエリアだ。
 その原因となるのが、随所に点在する熊笹の突破。ただし、ここ数年はほかの山域同様、一気に笹の
衰退が進み、難なく歩けるようになったという。さてさて、どんな具合なんでしょう。



 石榑トンネルの滋賀県側から車で旧道を登り詰めること約20分。三重と滋賀を分ける石榑峠に到着す
ると…あらら、ついにコンクリートブロックの前には通行止めのバリケードが。。。
 4月に竜へ向かった時には通れたのになぁ。オフロードバイクなら宇賀渓まで一気に下れそうなのに、も
ったいない話だ。



 この日、峠を起点にした先行入山者は、真新しいデリカの山ヤさんのみ。出発の準備をしていると、洒
落た赤いビートルに乗った2人の“元・山ガール”さんが颯爽と到着した。「三池岳までの県境稜線、気に
なっているんです。また情報くださいね♪」。
 彼女らの装備を見る限り、かなり歩き込んでいるようだけど、このルートはなかなか手を出せないでいる
という。そんな人のためにも、じっくりチェックしてこないといけませんね〜。



 峠の白いガードレールをまたいで、NTTの中継アンテナ跡地へ向かう途中、まず目に留まったのが上
の白いポスト。この先、三池岳まで200mごとに計16本設置されているようで、現在地を把握する上でも
とてもありがたい存在だ。
 距離的には200m×16本、つまり三池岳まではたった3.2kmということだけど、アップダウンが激しい
のでなかなか侮れない。



 広々としたNTTの中継アンテナ跡地を横切ると、ここからは先ほどまでの舗装路とはお別れ。背後には
新緑をまとった竜の巨体がどっしりと構えている。「重ね岩はあの辺かなぁ?」。ザックに常備している単
眼鏡を出そうと思いつつも、いつも思うだけ(笑)。



 少しづつ高度を上げながら県境稜線を南下していくと、所々で行く手に延びる数々のピークを望める。
国土地理院の25000分の1にあるP792は、おそらく中央のピーク。その先にあるのが目指す三池岳だと
思いきや、さらに左前方のようだ。



 どちらかというとルートは滋賀県側に開かれており、そのせいで近江の国の山々を一望できるポイント
も多い。ただし、ひとり部の場合、鈴鹿好きでも“三重専”なので、確実に山座同定できないのがくやしいと
ころだ。



 福寿草に始まった鈴鹿の花も、すでにタニウツギの季節まで到来した。足元には咲き残りのイワカガミ
がひっそりと花を付ける中、真新しいマムシ草がにょきにょきと茎を伸ばしている。
 そんなところに目がいくのは、やはり明瞭なルートのおかげ。これが笹こぎの連続なら、きっとそれだけ
の余裕はないだろう。



 気になる熊笹の状態は、密集しているところでもこの程度↑。背丈はあっても首ぐらいの高さだし、何し
ろ新芽すらほとんど見られない。もはや“熊笹に覆われた難ルート”という表現は、まったくそぐわない印
象だ。



 P768を越えても小ピークが次々にやってきて、展望地に出るたびに「三池はどこ?」状態になる。ちな
みに、上写真の右手に見えるガレたピークはco940m強の屈曲点。あそこに立てば残す標高差は約30
mなので、幾分気持ちが軽くなるだろう。



 ブナ混じりの新緑に包まれながら、じりじりとゴールを目指す途中、突然目の前に飛び込んできたの
が、写真の大崩壊地。これまで比較的のっぺりとした尾根ばかり歩いてきたので、とても印象深いポイン
トだ。見た目は豪快だけど、安全な巻き道が滋賀県側にあるので危険はまったくナシ。



 この時季の鈴鹿と言えば、やっぱりドウダン系の花が一番。割合的にはベニドウダン7割、サラサが3
割といったところか。。。ドウダン系が多いってことは、紅葉シーズンもいい色合いが楽しめそう!



 木々の芽吹きも美しいけど、コケ類も結構がんばっている。こんなに日当たりがいい場所なのに、よくぞ
芽吹いてくれたねぇ。



 県境三叉路近くに、三重県側に折れる薄い踏み跡があったので少し足を延ばしてみることに…そこで
見つけたのが「界」の文字を刻んだ真新しい石柱。「界」の文字と言えば、割谷の頭が有名だけど、こんな
ところにもあったんだぁ。でも、あまりにも近代的で味気ないなぁ。。。



 結局、県境三叉路までサルくん&ヘビくん以外は誰にも会わずにルートをひとり占め。せっかくだから
と、八風峠方面の展望を楽しんだあとは、ザックをデポして三池の三角点まで足を運んだ。



 さて、本日のランチは鍋焼きうどんでもいただくとするか。実は、ランチスポットとして目星を付けておい
たco970mほどの展望地はクマバチの縄張りのようで。。。少し離れて10数分待ってもずっと旋回して
いたため、恐れをなして特等席をあきらめるハメに。ひとり部的には、おヒル様よりさらにコワイ存在だ。



 ハチの活動が活発になれば、ほかの昆虫たちもいきいきと活動を始める。中でも、宝石箱から出てき
たようなハンミョウはお気に入り。もうちょっとゆったりとした動きだとうれしいんだけどね。写真、なかなか
撮れないじゃん♪

 

 下山途中も、景色を楽しみ、足元を注意深く観察しながら歩いた。登りでは気付かなかったギンリョウソ
ウやタツナミソウなど、被写体には事欠かない。そういや、ガレ場に咲く黄色いノギクもなかなかGOODだ
ったなぁ。



 さて、脱線モード連続の山レポだったけれど、石榑峠〜三池岳間の総合的な印象としては「結構いいじ
ゃん」といった感じ。尾根が広がる部分では若干踏み跡の薄いところもあるが、右往左往するようなポイ
ントはナシ。気になる笹こぎも、もはや皆無。ただし、次から次へとやってくる小ピークの嵐だけは、山慣
れていないとペースが乱されやすい印象だ。
 ヒルのことを思うと、夏の鈴鹿はよう歩かん…そんな山ヤさんにもオススメの花崗岩主体の尾根道歩き
をぜひお試しあれ!

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