ここのところ、鈴鹿北部に比べ中南部の積雪が異様に多い。そこで今回は安楽峠から三重・滋賀の両
県を分ける県境稜線を北上することに。標高500m弱に位置する安楽峠までの林道もそこそこの雪景 色。例年、寒波の恩恵にあずかれない鈴鹿南部だが、今シーズンはちょっぴり様子が違うようだ。
数台の駐車スペースのある安楽峠から、最初のポイント・かもしか高原までは階段道のアップダウンが
続く。この区間は東海自然歩道の一部にあたるため、しっかりとした道標も整備されている。
ダブルストックのお世話になりながら、まずはわずかに開けた「かもしか高原」に這い上がる。このあた
りの積雪量はくるぶしの辺り。トレースはまったくなく、少しガニ股気味の自分の足跡を振り返りつつ、さら に高みを目指していく。
かもしか高原を過ぎた先の植林帯では、いきなりのルートミス。本来の登山道は右手の尾根に乗り換え
るように延びているが、地形なりに直進してしまった。周囲をよく見れば、二段貼りのテープや目印も多い のに…。雪景色に浮かれている証拠かな(笑)
co600mぐらいからは、早くも樹氷の姿が見られた。青空があれば“キリリ”と締まった景色になるんだ
ろうけど、今日の空模様ではちょっと無理っぽい。
こちらは松の幼木が多い展望ポイント↑。たっぷりと雪をまとったヤセ尾根なので、足元を気を付けな
がら“パシャ”!
植林と二次林の間を縫うように臼杵ヶ岳へ向かう途中、やわらかな曲線を描く雪の造形に、ふと足が留
まる。そろそろスノーシューが欲しくなってくる積雪量だ。
雪景色に目を留め、足を留めて歩き、スタートから1時間16分で臼杵ヶ岳に到着。元々は展望に恵ま
れない山頂だったけれど、ここ数年で一気に伐採が進められたようだ。でも、この天候ではその努力がう れしくもなんともない。。。
臼杵ヶ岳で大きく左へ90度ターンして“樹林回廊”を北上する。ルートの明瞭度は所々で△。無雪期な
らまず間違えないんだろうけど、支尾根へ吸い込まれること数回。GPSを持たない山ヤさんは、そのロス を考慮してコースタイムを設定する必要があるだろう。
かもしか高原の先は、テープはあれど道標類は少ない。気を付けたいのは、石水渓側へ下るマイナー
ルートがいくつも分岐していること。尾根が広がる場所も要注意だ。
何気ない景色も雪があると、なぜかカメラを向けてしまう。腰下程度の笹も“いっちょ前”に樹氷モードに
突入!
風の通り道では、小規模ながらもシュカブラができつつある。崩すのを躊躇しながら前進するも、油断し
ていると腰まではまり込み、抜け出すのに一苦労。こりゃ、明日は筋肉痛ですな〜。
トレースの無い稜線に苦戦しながら好き勝手歩き、何と2時間52分もかかって舟石↑に到着。ここから
屈指の展望地・御所平までは無雪期なら1時間強だが、この調子では前途多難。。。行動食の一口サン ドウィッチを2・3切れほお張り、来た道でピストン下山することとした。
そうそう、気になる積雪量は臼杵ヶ岳〜舟石間で掛け値ナシの30〜40cm。地面に降り積もる雪の量
は、地形で大きな差異が生まれるので、こんな場所で計測してみた。
普段はこんな落書き↑はまずやらないけれど、週末まで入山者はいないでしょ。そんな気楽な気持ちで
落書きを残してきたら、なんと翌日に「つむじ風」さんが同一ルートで入山。落書きはともかく、寄り道だら けのトレースを見られるのって結構はずかしいっ。
帰りは寄り道もせず、自分のトレースをショートカットしながら一気に下山。まだまだ積雪の残る林道を
下り、三ッ淵をのぞきこんでみた。白い世界に浸った後なので、深い緑がなんとも言えない印象的な光景 だった。
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