ハライド直下の腰越峠と東海自然歩道の風越峠をつなぐ通称・コブ尾根。その起伏に富んだ長大な稜
線は標高こそ低いものの、岩稜帯あり、笹こぎあり、そして急激な登降下ありの厳しいルートだ。そのた め歩く人も少なく、ひとり部的にはどこか引きつけられる稜線だ。
とは言え、前回の山行から3週間も山から遠ざかっていたため、今回は朝明水無から南コブまでのピ
ストンに決定。距離は短いながらも、コブ尾根の魅力を少しは感じられるだろう。
水無の駐車場に車を滑り込ませたのは9時少し前のこと。駐車スペースには数日前の積雪が残ってお
り、普段よりちょっぴり気分が高まる。準備している最中も、奥の大駐車場を目指す車はあれど、ここから 歩く人は皆無のようだ。
まずは朝明川本流を飛び石で渡り、周囲をじっくりと観察。日陰にはうっすらと白い雪が残っている。も
しかしたらアイゼンいるかな〜。
水無から風越峠までのルートは、全体的に沢の左岸に道が切り拓かれている。これといった見どころは
少ないが、殺風景なコンクリート造りではなく、石積みの堰堤や川床に石畳があり、どことなく落ち着いた 印象だ。樹木は常緑樹が多いものの、植林に比べれば○印。
いただけないのは急登部分に設けられた階段道。登りはともかく、ひざに爆弾を抱えるひとり部にとって
は試練の場でしかない。
沢の水量が減り、枯れ沢になってくると風越峠は近い。ネコや笠岳、そして目指す南コブやハライドへの
分岐点で、常に強風が吹き抜ける場所だ。足元を見ると数日前と思われる足跡が希望荘方面から続い ているが、ネコにもコブ尾根にも向かっていない。風の強さに嫌気が差して撤退したのかな?
風越峠まではいたって平和なルートだったが、ここから先はちょっとした正念場。昨秋にも遭難事件が
あったように、無雪期でも道迷いが起きている。本来は尾根を忠実にたどれば問題無いはずだけど、岩 を巻いたりしているうちに方向感覚が狂っちゃうんでしょうか。。。
さてさて、ちなみにこの日の積雪はco700mほどまで登り詰めても15〜20cm程度。登りはアイゼン
も必要ないほどだ。しかし、雪が被った笹こぎはなかなか大変。手抜きしてスパッツを装着しなかったこと もあり、ズボンのすそは“えらいこっちゃ”になってしまった(泣)
雪に埋もれた木の根に足元をすくわれたり、樹木から落ちる“雪爆弾”に攻撃されながらも、無事に南コ
ブに到着。時間も早いし、このまま折り返すももったいない陽気だ。そこでコブ尾根をさらに先に進み、知 る人ぞ知る展望地へGO!
その展望地からの眺めがコレ↑。コブ尾根の風越寄りは、ルートが尾根芯の南に振っているが、南コブ
から15分ほど進んで北側へ笹を漕げば、釈迦ヶ岳(右)&猫岳(左)の雄姿を遠望するポイントに出られ る。もっとも、さらに西に進めばほかの展望地もあるけれど、そこからでは釈迦の正式な山頂(右の鋭鋒の 陰に見えるこんもりとしたピーク…分かるかな?)が松尾尾根の頭に隠れてしまう…まあ正月早々だし、そんなこと どうでもいいかっ♪
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